インスリンとは?

体を動かしたり、体温を温かく保つにはエネルギーが必要ですよね。そのエネルギーの元になるのはブドウ糖です。エネルギーとして使われるのには、ブドウ糖は細胞の中にあるミトコンドリアまでたどり着かなくてはいけません。血中にあるブドウ糖はそのまま細胞に取り込まれることはありません。細胞には必ず鍵のかかったドアがあり、開錠しないと入れないようになっています。その鍵となるのがインスリンです。

もしインスリンが分泌されなかったら、血管の中にブドウ糖がいっぱいになってしまい、血液がドロドロになって滞り、また血管を傷つけます。血液が滞ると糖尿病が進んで眼底出血や壊疽などになるのはご存知だと思います。それだけではなく細胞にブドウ糖が取り込まれずエネルギー切れを起こし、気力体力が失われてしまいます。実はこれが今、私たちの体に起こっていることらしいのです。

どういうことかというと、私たちの体のエネルギーシステムは2通りあり、ひとつは細胞内のミトコンドリアで、もうひとつは解糖系と言ってどこの細胞にも入らずブドウ糖が単独で分解して、その分解エネルギーが体を動かすエネルギーになるというもので、ミトコンドリアに入ってエネルギーになるよりも簡単にエネルギーになるのですが、効率が悪いんです。ミトコンドリアでエネルギーを産生しようとするとビタミンやミネラルも多量に使い、その分大きなエネルギーになるのですが、最近ではミトコンドリアに糖が取り込まれるヒマがないくらい多くの糖が体に入ってきて、解糖系のエネルギーシステムばかりが稼働して、食べてる割には体力がない、気力がわかないというエネルギー失調になっている人も多いのだとか。

インスリンから脱線してしまいました…もう少しインスリン以外のお話にお付き合いください。大量に糖が取り込まれるとエネルギーとして処理しきれないものはまず肝臓で、次に筋肉へグリコーゲンとして蓄積されます。とは言っても大量には保持できないので、それ以外の糖は脂肪細胞に貯蓄されます。それが中性脂肪になります。脂肪細胞は自分の大きさの1.3倍くらいまでは脂肪を取り込めますが、それ以上になるとどうも細胞分裂を起こして脂肪細胞を増やしていくらしいという説があります。ダイエットしても痩せづらい人は脂肪細胞が増えてしまっているので、痩せづらいというわけです。

さてインスリンですが、体に大量に糖が入ってくればインスリンも大量に放出されます。糖を無事に必要な細胞に届ける仕事が終わるとインスリンがそのまま血中に残ることになります。それはそれでまた体に良くないので、体のシステムとして活性酸素を用いてインスリンを消滅させます。

活性酸素は殺菌力としては優秀ですが、多く発生すれば同時に自分の細胞に傷をつけてしまうのです。血管の傷って治らないんです。炎症を起こすか絆創膏のような働きをするコレステロールがついて傷を塞ぎます。もし血液がドロドロになっていたら、血栓になりやすくなるのです。わかりづらかったかもしれませんが、過度な食事は体に負担をかけている、ということなのです。ただたくさん食べても糖尿病をはじめ体の不調にならない人もいます。体質であったり、エネルギー代謝が良い人、適度な運動をして糖を消費できている人はこれに限りません。

東洋医学的にはインスリンを分泌する膵臓周辺を「脾(ひ)」と言います。五行でいうと脾は土にあたり、成長を意味しています。役割は食べ物の消化吸収、その消化されたものを肺や心に運ぶ、そして血液の固摂(漏れ出さないようにすること)という働きがあります。東洋医学では脾を重要な臓として位置されています。そして五味と言って五臓六腑に対応する味があるのですが、脾に対応する味が「甘」です。甘味は体を調和させたり、不足を補ったり、緩めたりする働きがあります。なにか甘いモノが食べたいと欲する時は、ストレスなどで体のどこかに力が入り過ぎていたり、緊張状態にあって「体や緊張を緩めたい」というサインなのでしょうね。実は薬膳的に見ても「甘」にあたる食物がかなり多く、わざわざコンビニに行ってたくさんスイーツを買いこまなくても良いのです。残念ですが(笑)

東洋医学的にインスリンの働きは具体的ではありませんが、食べ過ぎなどには注意するべきである、と示されています。陰陽五行に沿ったバランスの医学ですので、現在の私たちのように「これが良いらしい」というと極端にそればかり摂取する、ということはありません。徐々にバランスを取りながら調子を取り戻していくのです。未病という考え方があり、病気は急になるものではなく日々積み重なっていく、慢性的な習慣によってなる症状と言われています。インスリンだけを極端に減らすというよりは、体の不調を感じたら、過ぎている部分がないか、足りないものはないか様子を見て、食事や運動を取り入れていくのが健康のコツとなります。
西洋医学と東洋医学を上手に取り入れていくのがこれからのヘルスケアだと思います。

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